膝蓋骨脱臼骨折の記録1 <自宅にて負傷>

負傷日時:2016年3月24日(木)0時

日常の感覚としては、3月23日(水)の24時、というほうが合っているでしょうか。家の中でのアクシデントでした。お風呂からあがって、布団も敷いて、あとは寝るだけという状況だったのが、とんだことになってしまった。左膝にへんてこな方向から負荷がかかったらしく、ボキっという音が聞こえました。

わたしは痛い、痛い痛い痛い、と悲鳴をあげました。と同時に恐怖もしていました。体感的に、ちょっと怖い書き方をしますが、骨が飛び出しているんじゃないかと思ったからです。開放骨折を想像していたのです。でもあまりの痛みに身動きひとつとれず、長ズボンをはいているために確認ができません。とにかく痛い。すごくすごく痛い。

クラゲを呼びます。クラゲー。

「わたしの膝、どうなってる?」と訊きました。わたしは「骨が飛び出していて血まみれになっていたらどうしよう」という恐怖と、「そんな状態をクラゲに見せたら可哀想」という気持ちとを二重に抱えていましたが、骨が飛び出していたらわたしのほうが可哀想なはずだと判断し、クラゲにズボンの裾をまくって見てもらいました。

「お皿がはずれているかもしれない」との回答。「ちょっと違う位置にあるかも」と。わたしは骨が飛び出ていなくてよかったと思ったし、出血しているわけでもないとわかって一安心しましたが、その安心とは関係なく痛みはおさまりません。自分(たち)でどうにかできる状態ではないとクラゲに訴えて、救急車をお願いしました。


ときは24時。翌日も出勤予定だったので、わたしは救急車の到着を待つ間、まず職場の上司に連絡をしなければと思いまいした。が、身動きができないだけでなく、なぜかぶるぶる震えていたんです。「ぶるぶる」というよりも「がくがく」といったほうが近いかもしれません。身体があまりに震えるので、救急車を待っている間もずっと、手の届く位置にあった壁や柱にぐっと腕を突っ張っていました。そうしていないと身体をその場にとどめて置けないくらいだったのです。当然自分で携帯電話を操作することもできないため、クラゲに上司の番号にかけるところまでをお願いしました。でもわたしの携帯電話のアドレス帳から、上司の名前をなかなか見つけられないクラゲ。平静を保って操作しているのですが、なぜか見つけられないらしく、だんだんと焦りを感じている様子で、心なしか顔色も蒼くなっている。
なんで見つからないんだろ、と考えていたらわたくし、思い出しました。
「ごめんクラゲ。ノーチェディコッコで登録してある」。
ああ、可哀想なクラゲ。見つかるわけない。本名で登録しましょう。


身体の震えとともに、顎もがくがくしっぱなし、歯もガチガチと止まらない。しゃべるのも一語一語発音しながらというような状態でしたが、ノーチェディコッコさんにはなんとか状況を伝えることができ、あとは救急車の到着まで「ぶるぶるがくがく」をどうにか押せようと懸命に腕を突っ張っていました。


痛みもそうですが、「ぶるぶるがくがく」がなんのために起こっているのかわからなくて、そのことにも不安を感じていました。しばらくして救急車がやってきました。