膝蓋骨脱臼骨折の記録15 <外泊届け>

外泊届け (4月16日/土〜4月18日/月)


手術から一週間が経過したところで、外泊届けを提出し、3日間の予定で山形に帰省します。
結婚式に参列するのです。


入院中にわたしが医師から義務付けられていたことは、

・ニーブレスを装着すること
・移動の際は松葉杖を使うこと(左足への加重が禁止されています)
・患部を冷やすこと

です。これができれば外泊も問題ない、という判断のようでした。反対に言えば、ニーブレスを外しての移動や、左足に加重することだけは絶対にしてはいけない、ということです。


なので、ニーブレスに巻かれた丸太のような左足を松葉杖で運んで、いってきました山形県


こんな不恰好なのがいたら水を差すことになりはしないかという不安もありましたが、この日を楽しみにし過ぎていたので、どうしても行きたかったのです。出席できてよかった。


為せば成るの精神で強行しましたが、ひとつ気がかりだったのが、長時間の移動による「浮腫み」でした。入院中のようにほとんどベッドの上というのではなく、足を下ろしている時間が長いと浮腫んでしまうのは、手術前の京都までの往復で経験済みです。足はできるかぎり下ろしたくない。


というわけでお供のクラゲが足台になりました。


往路の名古屋−東京の新幹線車中、わたしの左足はずっとクラゲの膝の上に乗っかっておりました。「浅めに座って、猫背でもたれて、足を組む」のがクラゲの座姿勢ですから、足も組めずに背骨一本まるごとシートにピンと貼り付けられたかのように長時間を過ごすのは、さぞや窮屈だったことでしょう。周りの目にも不憫な光景に映ったことと思います。
しかし旅の途中で我々は、クラゲが網棚にあげているバッグがわたしの足台になるという発見をし、それからは、クラゲの足元に置いたバッグの上にアライグマの足がどっかと乗せられることとなりました。
いつもならそれは、クラゲの組んだ足がぶらぶらできるはずの空間なのですが、それでもクラゲ自身が足台になるよりはいい、とのことでした。


よかったね、クラゲ。