好きな食べ物はなんですか


よく聞いたり、聞かれたりしますよね。「好きな食べ物はなんですか」


「好きな食べ物はなんですか」の質問に、「カレー」と答える人、いるじゃないですか。カレーと言われると、わたしは「何カレーが好きですか」って聞くのだけど、そうすると、「何カレーでも好き」って言う人、いるじゃないですか。そういう人は、どこのどんなカレーでも、カレーならなんでも好きって、ことなんですよね。カレーならなんでも好きという回答が、なんとなく腑に落ちないんです、わたし。カレーって、ものすごくたくさん種類あるし、しかもそれらは、質の差とは無関係に、ぜんぜん、味が違うじゃないですか。このカレーと、あのカレーでは、そばとうどんくらい違うと思うんです。ハンバーグとオムライスくらい違うカレーもあると思うんです。まあそれは言い過ぎだとしても、でも「カレーならなんでも好き」というのは、そばとうどんくらい違う種類のものをひとつにまとめられてしまったような感覚なんです、わたしにとっては。だから、カレーが好きって言う人は(カレーならなんでも好きって言う人は特に)、手軽で安くておいしくておなかがいっぱいになればいい人なんだな、と思うんです。そしてもちろんそれは悪いことではなく、むしろよいことだと思うのだけれど、でも味の最高位がカレーだというのとは、ちょっと違うのではないか、と思ってしまうのです。もちろん、手軽で安くておいしくておなかがいっぱいになるカレーは、料理として偉大だとも思うのだけれど。


そんな話をしていて、クラゲに「クラゲの好物はなんですか」とお尋ねしたら、



「タン塩」と。




カレーって答える人のほうが、可愛いなと思いました。




ちなみにわたしの好物は、きなこ。