ジェリーちゃんのウェディングドレス

美容院ハンモックに行ってきました。


あの決意はいつのことだったでしょうか。いまわたしは髪を伸ばしています。過去にいちばん長かったのは大学3年生のときですが、そのときよりも長く伸ばそうと決めて、今はちょうどその大学3年生のときと同じくらいまで伸びました。ただ今回は後髪じゃなく、前髪も一緒に伸ばしています。前髪を伸ばすのは小学校6年生のとき以来です。小学校6年生のときに長かった前髪を眉の長さで切ったら、同級生の、学年でいちばん頭のよかったモリ君という男の子が、「uubちゃんはそっちのが似合うよ」と言ってくれて、それ以来わたしの前髪は眉より下まで伸びるとチョキチョキ切られる運命になったのです。耳にかけられるくらいまで前髪を伸ばしたのは、だから実に、18年ぶりです。


でもわたしは、眉のところで切った前髪が今でも実は好きです。おでこを出すようになってかれこれ数ヶ月は経つけれど未だに違和感があります。それでも伸ばしているのはおでこを出す髪形にあこがれるからです。20歳の頃から憧れていて、でも中途半端な長さでおでこを出してみても、なんだかへんてこりんで、小6のときにモリ君に言われた言葉を思い出しては切るということを繰り返してきたのです。でも今回はモリ君の声をとびこえて耳にかかる長さまで伸ばして、へんてこりんかもしれないけれどへんてこりんじゃないかもしれない、と思えるところまできたのです。


名古屋に来てからずっと、その様子をジェリーちゃんが見守ってくれています。


ハンモックを訪ねるごとに伸びているわたしの髪を見て一緒に喜んでくれるジェリーちゃんに、わたしはこの日も伸びた髪を見てもらおうと、ウキウキした気分で出かけました。前回の来店から4ヶ月以上経っているわたしの髪は、しかし伸ばしている途中なので、はさみを入れないという提案もしてもらったのですが、相談の結果、少しだけ重さをとるということでまとまりました。そのときに前髪はどうしますか、と尋ねられて、わたしはちょっと言いよどんでしまいました。もう切ってしまいたい、という気持ちもあったのです。


その気持ちを思いとどまらせたのは、おでこを出す髪形への憧れと、この一年中途半端な長さをへんてこりんかもしれないと思いながら、へんてこりんじゃない長さがこの先にやってくると信じてきたのと、もうひとつあって、そのうちにウェディングドレスを着ようと思っているからなのです。挙式はしないので、記念写真だけなのですが。洋装になるか和装になるか、両方!と言い出すかわからないけれど、何を着るにしても前髪は(後ろ髪も)長いほうが合わせやすいかなと思って。。なんかあんまりそういうことのために気持ちや時間を割くのは恥ずかしいのですが、一度くらいはがんばってみます。


という話をジェリーちゃんにしていたら、ふと、そういえばジェリーちゃんはドレス着たのかなと思って聞いてみました。ジェリーちゃんは、ちゃんとトム君と結婚式を挙げて、ドレスも和服も着たそうです。



みたぁーい。写真みたぁーい。みせてみせて。と言ったら、ジェリーちゃんは恥ずかしがりながらも「じゃあ今度」というくらいのお返事をしてくれるだろうなと思っていたら、即答でした。






「絶対いやです。」






え゛。。。。。そんなぁ。
見せてもらえるまで通い続けてやる。