置時計の不思議

毎朝同じ時間に家を出る規則正しいアライグマです。こんばんは。

出勤時間が同じなのだから、家を出る時間も同じで当然だと思うのですが、以前はそんなこと、していませんでした。どうしてしていなかったのか、している今となっては謎ですけれども、でもしていなかったときの私は、きっちり同じ時間に家を出る人が謎でした。

世の中は謎がいっぱいですね。

していなかったときのことは機会があればまた書くとして、今日は、「同じ時間に家を出る」今のことを書きます。

毎朝、8時30分に家を出ることにしています。8時28分までには準備万端整えるようにしています。エアコン切って、こたつも切って、ガスの元栓締めて、トイレに行って、上着を着て、マフラー巻いて、右ポケットにあるはずの定期券を上から叩いて確認して、左ポケットにあるはずのマスクを取り出して耳にかけて、一度やかんで沸かして冷ました水道水をペットボトルに移し替えてリュックへ入れる、というような準備です。

25分くらいに終わるときもあれば、31分までかかったな、というような日もありますが、だいたいそれくらいです。31分は、わたしの中ではまあ30分と同じようなものです。


毎朝、8時30分に家を出ることにしています。

がしかし、これは正確な言い方ではありません。

テレビの横の置時計が8時30分になったら家を出ることにしています。


テレビの横の置時計は、かねてずっと、5分ほど進んでいました。わざとそのようにしていたのか、自然にそうなったのか、わたしは知りません。時計はクラゲのもので、置き場所を決めたのもクラゲで、わたしが別の位置に動かしたときには苦情が出ましたし、正しい時間に直したら?と提案したときも難色を示されましたので、この時計はクラゲの一存で設定されています。その時計が、最近では10分弱進んでいました。


わたしは、テレビの横の置時計が8時30分になったら家を出ることにしています。


その日は少し余裕があったのです。テレビの横の置時計は8時28分を指していました。さあ行くかと腕時計を手にしたら、腕時計はいつもの時間よりも5分進んでいる。え。なんで。あの置き時計遅れ始めたのかな。と考えている暇もありません。急がなければ遅刻です。腕時計のほうが進んだのかとも考えましたが、通勤中の様子がその可能性を打ち消しました。普段駅の近くですれ違う人に家の近くですれ違い、お迎えの幼稚園バスを待っている親子はその場所におらず、いつもなら駐車場から事務所に向かうところで行き会う人が、事務所から出てきて車に乗り込もうとしている。

急げ急げ。


そういう出来事があったのです。


その日の夜、クラゲに「あの置時計、時間直した?」と尋ねましたところ、「あ、ちょっと直した」と。


んどりゃぁ、そないなことしたらこっちは遅刻するだろうがよっ!ちったぁ考えろや。


とはもちろん言いませんけれども、「えー。教えてよー」とは言っておきました。


が、そこから問題はまだ解決していないのです。


5分強戻された時間に合わせて、アライグマは戻された時間の分だけ行動を早めることができずにいるのです。
8時30分に出ていたのを8時25分に出ればいい。それはわかります。でも朝起きて置時計を見て、あれ今日はちょっと早起きだな、と思ってしまうのです。朝ごはんを食べて、お、まだこんな時間、と思い、髪の毛結んで、まだ余裕。歯を磨く段になって、あれ、けっこう押してるな、とようやく気がつき、上着を羽織るくらいになると、やべ、遅刻する、と慌て出す。そんな朝がかれこれ2週間くらい続いています。5分早めればいいだけなのに、なかなかできません。


人生には不思議なことがまだまだいっぱい。。。