ガスコンロに名前はつけなかった。


暮らしの中にあるものに名前をつけるアライグマです。こんばんは。たとえば家電で言えば、冷蔵庫はグルマン君、テレビはトモヤ君、エアコンはフユカちゃん、ヒーターはユウヤ君、等々。


ところで。


数ヶ月前からガスコンロの調子が悪かったのです。2口あるうちの右側が、点火しにくくなっていました。東京から持ってきているものですが、友人が使っていたものを譲り受けたと記憶しているので、使用期間は不明です。10年は経過していると思われます。


点火しにくい、という状態にはさほどの不便を感じなかったのですが、ここ数週間は、突然消える、という症状が見られ始めて。ガスコンロが消えるわけではありませんよ。ついていた火が消えるのです。音もなく。
やかんを火にかけて沸騰するのを待っていたら、いつまでたっても湯気がのぼってこないからおかしいなと思って見たら、いつのまにか火が消えている。
そういうことが頻発し始めました。


火がつきにくいだけならよしとできるけれど、ついていた火が突然消えてしまうのは危ない気がします。たぶん危ないですよね?


危ないのはよくない。というわけで新しいコンロを買いに電気屋さんまで行ってきました。


そしたらクラゲがピカピカのコンロを前にして、「もしかして電池がなくなってるんじゃない?」と言います。アライグマは、はて?と思います。


「電池?コンロに電池なんかいるの?」
「いるよ。ほら。」と、目の前にある商品の電池を入れる部分を開けてみせます。
「えー。うちのコンロにそんな場所あったかな。ないよ、たぶん。」
「こういうふうに前面にはなくても横とか裏側とかにあるんだよ。」
「えー。見たことないよ。」
「でも電池がないなんてこと、ないよ。」
「そうなの?絶対に電池がいるの?」
「だってほら、あるじゃん。」と、新品のコンロを前にクラゲは言います。たしかにたくさんある商品のどのコンロにも電池を入れる場所があります。
「でもうちのコンロ、電池変えたことなんて一度もないよ。」
「だから今から変えるんだよ。」


そうか、そうなのか、ガスコンロには電池がいるのか。全部ガスで動いていると思っていた。


そうしてわれわれは単1電池だけを買って帰ってきたのです。


「ねークラゲ、やっぱりないよ。」と自宅のコンロを見てアライグマは言います。
「ないわけないよ。」と、クラゲもコンロの点検を始めます。
前を見て、側面を見て、後ろ側を見て、底面も見て、グリル板やコンロの点火部を外して中の配線まで覗いてみて。


「ないね。」とクラゲ。


「ないじゃーん。」と、アライグマ。



というわけで電池では解決できないことがわかりましたので、やはり新しいガスコンロを買おうとふたたび電気屋さんへ行き、今度こそ潔く買って参りました。



Before


After


点火



じつに快調でございます。



買ったときに、古いガスコンロの処分もしてくれると教えてもらったので、この日三度目の電気屋さんへ。問題なく引き取ってもらって、カートに乗せて運んでいく女性スタッフの後ろ姿を見送りながら、そういえばあのガスコンロには名前つけてなかったな、と。


今度はつけようかな、と考え中。