ペンネ君は旅立って行った


制服はきちんと所定の場所に置いてあったのに、よく探しもしないで「ないです」と言って、わたしを怒らせたペンネ君は、ピアチェーレを辞めて、新しい仕事先へと旅立って行きました。めでたい!いえいえ、そんなひどいことを言ってはいけません。こころよく送り出さねば。ペンネ君、ごきげんよう


今日ピアチェーレペンネ君が荷物を引き取りに来たので、辞める前にこんな話をしたのを思い出しました。


「次はどこで仕事するんですか」って聞いたんです。興味なかったけど、社交辞令で。そしたら、「奈良県です。」って言うんです。
奈良県?」
「はい、でもそれは3日前に言われたんです。」
「3日前?もう来週から働くのに?」
「はい。本当は岐阜のはずだったんですけど、人が足りないらしくて、急遽。」
「ふうん。引越代や、交通費は、ちゃんと会社に相談したんですか?」
「いえ。」
「ちゃんと相談したほうがいいですよ」って言ったら、
「うーん。でも今僕は、この会社で働けるだけですごく嬉しいので、それでお金までもらおうという気にはなれないんです。」って言うんです。


だから言ってやったんです。


「そりゃ今はね。」と。「今は、自分が憧れていた場所で、目指していたことができるわけだからそれだけで嬉しいのはわかりますけど、だからと言って、従業員に転居を求めるのに、なんの手当てもなく、引越し先の紹介もなく、それでもこの会社で働ける喜び100パーセントしかありません、って顔してたら、舐められますよ」って。ペンネ君の顔が少し曇りました。


「だいたい自分がそれでよしとすることは、同僚や後輩も同じ扱いでいいと思っているのと同義です。嬉しいからお金はいらない、なんていうのは、自分のことしか考えてないからです。社会人としての意識が低いです。違いますか?」と言いたい放題。ペンネ君はぐうの音もでない。


「自分がリスクを負うことへの対価を、交渉するべきです。そして、会社に負担してもらった分は、利益にして返すのだという意志を持つべきです。」そうです、そのとおりです。とペンネ君は何度もうなずきます。


「なにより、知らない土地へ引っ越して、知らない場所で働くというのは、思っている以上にリスクがあることです。わかってますか。」と。


そしたらペンネ君が「それは親にも言われました」って。



。。。。。



ご両親にも言われたって。。。ペンネ君よ、その年齢になって親にまだそんなこと言われてるんですか。頼りなさ過ぎます。



わたし(34)より、4つも年上のくせに。





あ、わかりました?
そう、あたりです。



ペンネ君が頼りないというより、



実はわたしが、



うるとら生意気なんです。






ペンネ君が生意気じゃない後輩に出会えることを願っています。ごきげんよう




追記
わたしがペンネ君の立場だったら、引越し手当ての交渉なんてしません。そんな勇気ないもん。るらら〜♪