“君に届け(4)”椎名軽穂

君に届け 4 (マーガレットコミックス)

君に届け 4 (マーガレットコミックス)


3巻ですでに相思相愛の爽子(サワコ)と風早(カゼハヤ)。でも、爽子はまだ風早に対する自分の「特別」な気持ちの正体がわかっておらず、風早はそういう爽子に歩調を合わせているかのように、気持ちは伝えられないまま、4巻。この巻では、少女漫画に永久不滅の「主人公の恋路の邪魔をするめちゃめちゃかわいい女子」が登場。胡桃沢梅(クルミザワ・ウメ)ちゃん。


かわいいかわいい「くるみ」ちゃんは、爽子と風早がくっついたりしないように策をめぐらすのだけれど、それは爽子に、風早に対する「特別」な気持ちの正体に気づかせるのを少し早くしただけでした。実際、そのためだけに登場させられたかのような配役で、ちょっとかわいそうです。



というわけで、4巻でようやく爽子の「恋愛」が始まります。めでたい。



そう、実にめでたいことのはずなのですが、わたしは手放しで喜ぶことはできませんでした。なぜなら、爽子のくるみに対する言動がひどすぎるように思ったからです。3巻までは爽子を好意的に見ていたわたしですが、いくらなんでもこれはあんまりじゃないか、と。くるみのことは好きでもなんでもありませんが、それでも、爽子の酷さに泣きそうでした。