ドラゴンボール4巻(其之四十五〜其之五十九)


さて、天下一武道会です。


冒険の旅路で出くわす敵と戦う、というだけではなく、「大会」として戦える舞台を設定したことは、このあとの展開にとても有効な役割を果たしましたね。旅をして敵に出会わなくても、敵と戦う、という場面を作れるのですから物語進行上も便利だったと思います。のちの強敵、セルとの戦いにおいては、無理やりに引っ張り出された、という意見もあるでしょうか。


その初回が3巻で登場し、4巻で大会が終了します。物語上では第21回大会という設定です。


今大会におけるいちばんの事件は、月が破壊されてしまったことでしょうか。「月」って、作中における特殊なアイテムの名前ではありませんよ。あの月です。地球の衛星、28日周期で満ち欠けする、あの月です。あの月、この大会の決勝戦の最中に、かめはめ波で壊されちゃうんです。まさかの月の消滅。そうなっちゃうと、月も特殊なアイテムのひとつ、と捉えたほうが正しいのかもしれませんね。


悟空は優勝できませんでした。ジャッキー・チュンとして名を騙って出場した、師匠である武天老師に、あと一歩及びませんでした。初回の天下一武道会武天老師が弟子のふたりに伝えたかった「世の中上には上がいる、武の道は甘くない、まだまだ修行はこれから」という戒めとともに締めくくられます。よい師匠です。


そして、この大会ののちに、悟空の強さが本格的に、世に発揮されていきます。それまではこじんまりした悪党を打ち負かしていただけだったのが、ここからはなんといっても「軍」との戦いです。その名はレッドリボン軍。わくわくしてきました。



DRAGON BALL 完全版 4 (ジャンプコミックス)

DRAGON BALL 完全版 4 (ジャンプコミックス)