†極東最前線/巡業 2011「アノ窓、コノ窓、灯火トモセ。」 eastern youth


eastern youth のライブは、これで3回目、かな。2年前に初めて知った彼らの音楽を、2年経ってもわたしは普段、まったく聴かないのですが、縁あって、ライブには足を運んでいます。


@名古屋・CLUB QUATTRO


小さなライブハウスです。もっと小さなライブハウスがあることを考えれば「小さい」と言ってしまってはいけないのかもしれません。メジャーデビューしたバンドだったら、ここから夢を膨らませる、という大きさ。アマチュアのバンドだったら、夢が叶った、という大きさ。かな。たぶん。


そういう大きさの箱の中に、いつも同じくらいの数の人が集まってくるんです。顔はもちろん覚えていないから、同じ人もいるのかいないのか、確認はできないけれど、たぶん、いたりいなかったりするんだろうけれど、ともかく、半年から1年に1回あるライブに、それぞれが集まってきます。ドーム級のアーティストに比べたらすごく少ない人数だけど、でも毎回、きっと同じものを求めてやってきます。eastern youth というバンドにしか求められないものを求めて、やってきます。3回足を運んだら、そのことがわかりました。


反発を買う言い方かもしれないけれど、わたしは彼らの音楽を「音楽」というジャンルに分類することに違和感があって、もちろんこういう種類の音楽があることは知っているし、音楽じゃないと言いたいわけでもまったくないのだけれど、わたしにとっての音楽はいつも体の中に風を通してくれるもので、彼らの音楽のように泥だらけの魂を投げつけてくるものではないんです。すくなくとも今まではそうだったんです。でも彼らの音楽ももちろん音楽だし、そのことがわたしには違和感があるとするなら、じゃあこれはいったいなんなんだろう。今わたしの目の前で演奏されているものはいったいなんだろう。なんて言ったらいいんだろう。と漠然と思っていたんだけど、答えは案外ふと出てきて「ああ、これはロックだ」と。


「ロック」という単語も、わたしはあんまり好きじゃなくて、意味もなんだかよくわかんないし、「ロック」と声高に言う人たちもよくわかんないし、「ロック」以外を毛嫌いしたり、バカにしたりする感性もよくわかんないし、だから「ロック」という単語にも概念にも、わたしは敬意を持っているわけではないのだけれど、eastern youth の音楽は「ロック」で、彼らのロックは「すごくかっこいいロック」で、だから「ロックはかっこいいな」と思いました。


体の中に風は通らなかったけど、すごく勇気をもらいました。




心ノ底ニ灯火トモセ

心ノ底ニ灯火トモセ