アート君のお土産


わたしは18歳で高校を卒業したばかりでした。


その日も他に行くところが思いつかなくて、いつものお買い物ルートをぶらぶらしていました。そのときに出会ったのです。ロイスクレヨン。


店頭のマネキンが着ていた赤いスカートに一目惚れして、購入しました。それは、当時のわたしがスカート1枚に対して許していた価格を飛び越えた最初の経験だったように思います。


その最初の経験以来、わたしはロイスクレヨンのファンです。



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先日、取引先との飲み会で遅くなったクラゲのアート君が、お土産を持って帰ってきてくれました。参加者のうちのひとりの女性のメールアドレスです。アート君がモテたのかと思いきや、モテたのはわたくしでございました。


彼女もまた、ロイスクレヨンのファンだったのです。


なんでも彼女が首に巻いていたストールにロイスクレヨンのロゴが入っているのを目ざとく見つけたアート君。「それ、ロイスクレヨンじゃないすか?」「うちの奥さん、ロイスクレヨンしか着ないんすよ」。と言ったそうです。



アート君、お手柄です。


わたしは普段はウニクロの服しか着ていないけれど、本当は毎日ロイスクレヨンのお洋服が着たいと思っていて、でもわが家の貯金箱口座のために、せっせとエコキュートな節約をしているアライグマの気持ちを、クラゲは汲んでくれたのです。偉いっ!これぞまさしく常日頃からのわたしの教育の成果、もとい、ふたりのコミュニケーションの賜物でしょう。



今度、彼女にお会いすることになりました。同い年だそう。とっても嬉しいです。ロイスクレヨンが好きなお友達。着て行くものを考えるのが、いつも以上に楽しいです。何にしよう。るん♪



ちなみに、最初に買った赤いスカートは今も健在です。買ったときと同じように今もとっても気に入って着ています。