【とげまる】スピッツ (13th ALBUM)


めったに行かないCD屋さんにたまたま寄ったら、たまたま見かけて、ずっと気になっていて借りてきました。


わたしはスピッツというバンドにも楽曲にもさほど思い入れはないのですが、「とげまる」はそのジャケットに心ひかれたのと、試聴した一曲目の最初30秒がとてもよかった。その30秒で「ああこりゃだめだ。全部聴きたい。」と思ったのでした。


スピッツのアルバムをわたしは「スーベニア」と、ベストアルバムの「RECYCLE」しか聴いたことがないので、あまり過去の曲(アルバム)と比較することができないのですが、「スーベニア」と比べたらわたしは「とげまる」のほうが好きです。順番にいきましょうか。



1.ビギナー

上にも書きましたが最初の30秒がとても好きです。「みーらーい かーらのー むーじゃきーな メッセージ」。わりと楽器総出でイントロが始まるのだけど、ヴォーカルが入るところで、ふわっと消えるんですよね。ピアノ音の単音だけになる。その入りがとても好きです。「未来からのメッセージ」に耳を澄ませてみよう、という気になります。


2.探検隊

うっまーい。と思った曲です。わたしはあまり楽器の音を興味深く追うようなリスナーではないのですが(でも以前に比べたら最近は楽器の音にも耳を傾けるようになったのですが)、ともかく「うっまーい」と思った曲です。エッジが効いてるのに滑らかで、リズミカルに弾んでるのに段差がない。なんじゃこりゃ。と思いました。いいないいな、こんなふうに演奏できていいなー。と、思いました。


3.シロクマ

「惑わされてきた たくさんの噂と 憎悪で汚れた 小さなスキマを
 今すぐ抜け出して 君としゃべりたい まだ間に合うはず」


4.恋する凡人

アルバムを通して何度も聴いたとき、最後まで耳に残ってくるのは、この曲でした。わたしにとっての「とげまる」の代表曲です。


5.つぐみ

音もメロディも声も穏やかだから、さらさら聴いていると騙されます。わりと情熱的なんですよね。20歳くらいの男の子が言うなら「そうだね」って思うけど、40代になってもその気持ちを表現できるというのは「いいな」って思います。
アルバムタイトルの「とげまる」に一番似合っている曲だと思います。


6.新月

「変わってみせよう 孤独を食べて 開拓者に」


7.花の写真

古ぼけた街に、去年と同じ花が咲いた。遠くの君に、黄色い封筒に入れて贈った花。それを今年も君に贈るよ。ただそう歌っているだけなんだけど、泣きそうです。


8.幻のドラゴン

今のとこ、このアルバムの中で一番好きな曲です。でも「ドラゴン」の意味するところはよくわかりません。ドラゴンボールと関係あるかな(ワクワク)。まさかね。。


9.TRABANT

ここから以降は、わたしはさらさら聴きます。


10.聞かせてよ

「小さすぎる窓から 抜け出せる時が来る」。わたしの頭の中ではティンカーベルがきらきら星粒をまきながら飛んでいきます。


11.えにし

「伝えたい言葉があふれそうなほどあった だけど愛しくて忘れちまった」。男の人ってすぐ「愛」のせいにするよね。わたしは「弱腰」のせいだと思うのだけど。いや、いい歌なんだけどさ。


12.若葉

シンプルなメロディーに素朴な歌詞だけれど、その素朴さもひとつひとつ丁寧に重なっていけば鮮やかな色を帯びるのだということがよくわかります。


13.どんどどん

どんどどんどどど どんどどんどどど というギター音で始まります。だから「どんどどん」というタイトルなのか、けっこう気になります。


14.君は太陽

アルバムの最後をこういう明るい曲で終わろうという気持ちが、わたしはとても好きです。

「理想の世界じゃないけど 大丈夫そうなんで」



とげまる

とげまる


このアルバムを聴いて、わたしは、いちばん好きなアーティストがスピッツだという感性の女の子に育ちたかったなと思いました。でももう手遅れだということもよくわかりました。