クラゲの服はダサくない
ロイスクレヨンの洋服が大好きなアライグマです。こんばんは。ロイスクレヨンの洋服を着て出掛けるのは、休日の楽しみのひとつです。
でも家ではさんざんな格好をしています。クラゲのいらなくなったボロボロのTシャツのお下がりを着ているのです。
たとえば今日のはこれ。
襟ぐりがボロボロの、変な水色のTシャツ。
着たくて着ているわけではないのです。わたしだって、たとえば、カントリーな雰囲気の雑貨屋さんで見つけたコットン100パーセントの部屋着とか、ふかふかした生地に水色や黄色の小花柄がプリントされてて袖口にはレースがついてるパジャマとか、着たいのです。でも、クラゲが「これ(さんざんなデザインのお下がりのTシャツ)を着てください」と言うのです。
クラゲには信念があるのです。
すべての布製品は限界まで使いこまれた上で、ゆくゆくはハサミで5センチ四方くらいの大きさに切られて、フライパン拭きや靴磨きにしてから捨てられなければならない、という信念です。とても強く揺るぎのない信念です。その信念の生け贄になっているのです、わたしは。
という事情があって、わたしの家での格好はさんざんなのです。
ところで先日、わたしが着ているすべてのさんざんなTシャツが洗濯に出払っていて、着るものがありませんでした。困ったアライグマはクラゲのクローゼットから、できるだけさんざんなTシャツを探し出すことにしました。そうして見つけたのは、黒地に紅葉の柄の長袖Tシャツ。半袖では少し肌寒さも感じていたので「柄もダサいし。ちょうどいいのみーっけ。」と思って、それを着て過ごしていました。
クラゲが帰ってきて、アライグマを見て驚いていたので、きちんと説明しました。
「全部洗濯されてて着るものなかったから、自分で探したの。これ、ダサいし。いいかなと思って。」
わたしは、クラゲが次にダメにしたいと思っている服を当てたつもりでいたので、得意な気持ちでした。
ところがクラゲは言いました。
「僕はあまりダサいと思っていません。」と。
。。。。。
クラゲ、ごめんなさい。。。