どんぐりは背を比べたりしない
日本のプロサッカーチームに「ツエーゲン金沢」というクラブがあります。わたしの応援しているモンテディオ山形はJ2リーグ所属ですが、ツエーゲン金沢はJ2よりひとつ下のカテゴリー、J3リーグ所属のチームです。
カテゴリーが違うので、ツエーゲン金沢とモンテディオ山形がリーグ戦で対戦することはありません。
でも。
来シーズンは同じカテゴリーになる可能性があります。いま、ツエーゲン金沢はJ3リーグで首位にいるのですが、J3リーグの優勝チームは、翌年、J2リーグに昇格します(J2の最下位チームはJ3に降格します)。もしツエーゲン金沢が昇格して、モンテディオ山形が昇格できなければ、来年は同じJ2で戦うことになります。
なぜツエーゲン金沢の話をしているかというと、ピアチェーレに金沢出身の男の子がいるのです。カスターニャ君といいます。イタリア語で Castagna、 「栗」の意味。
朝、営業前の準備をしていると、キッチンでコアラ君とカスターニャ君がサッカーの話をしているのが聞こえてきました。サッカーの話が聞こえてくると、ついつい聞き耳を立ててしまうわたし。いいぞいいぞ、もっと話して話してと思いながら、ふたりの会話を盗み聞き。
ツエーゲンってどんな意味?
金沢弁で「強いんだ」のことを「ツエーゲン」って言うんです。
へー。
などと楽しそうにお話しています。いいぞいいぞ、もっとサッカーの話で盛り上がってちょうだい。と思いながら、わたしは知らん顔で自分の仕事をしています。ところに、コアラ君からお呼びがかかりました。うーぶさーん。よしきた、なんでも聞いて。と思いながら振り返ります。「ツエーゲン」って知ってます?と聞かれたので「金沢!!」って答えたら、「あーやっぱり知ってるんだ」って言うから「知ってるよー。いま強いんだよー」と、コアラ君に教えてあげます。
もっと聞いて、もっと聞いて。
「J2ですか?」って聞くので、「ううん、ツエーゲンはJ3」。
もっと聞いて、もっと聞いて。
「モンテディオはJ2でしたっけ?」と聞くので、「そうだよ、モンテディオはJ2だよ」と教えてあげます。
もっと聞いて、聞いて。
「J2とJ3ですか」とコアラ君が言うので、「そうだよ、でもツエーゲンは来年昇格するかも。いま1位なの」。
その調子でもっと聞いてちょーだい。
「J2とJ3ですか」ってまた言うので、なんだよ、と思いながらも「そうだよ」って笑顔で答えます。
ほらほら、他にもいっぱい聞くことあるでしょ、勝ち点差とか、残り試合数とか、今のモンテディオの順位とか。さあコアラ君、聞いて聞いて。と思っていたら、
「どんぐりの背比べですか」だって。
。。。。。。
だまらっしゃい!!
ツエーゲンも、モンテディオも、これからもっともっと強くなるんだから。いまにみておれ、コアラめ。