NEO UNIVERSE (19th SINGLE)


やっとこの記事が書けます。ああ、うれしい。


前回『HONEY』のところで、「ラルクの代表曲」の話をしました。一般的にはラルクの代表曲は『HONEY』とされているけれど、もしわたしがラルクの代表曲を選ぶとしたら『HONEY』ではありません。『HONEY』でないなら、さてわたしはどの曲を選ぶだろうかと考えてみて、その答えはもう出ているけど、また次回。と書いてそのままひと月以上経ってしまいました。


やっと書けます。わたしが「ラルクの代表曲」を選ぶとしたら、この曲です。



NEO UNIVERSE



ある世界の風景がだんだんと輪郭を帯びて色濃くなっていくようなkenちゃんの作曲に、hyde君の歌声が優しく駆け上がるように響いて、てっちゃんのベースが風をまとうようにメロディアスで、ユッキーのドラムが粒のそろった砂のように気持ちよくざらつく。というのはわたしが考えるラルクの良さが全体として最大限発揮されるパターンのひとつなのですが、このパターンが実現されている(上に書いた4つが揃う)曲というのは多くありません。というか、他にないような気もします。ラルクはメンバー全員が作曲するので、作曲者が誰かによって曲の持ち味が変わって、当然「良さ」も多様になります。だから別の曲では、別の「良さ」が最大限発揮されているのであって、「ラルクの良さ」が最大限発揮された曲が一曲しかない、ということではないのです。でもわたしが多様にあるラルクの「良さ」のうちのどれかひとつを、代表曲を選ぶという観点において、彼らの音楽の筆頭に挙げるとするなら、それはやっぱり上に書いたパターンなのです。そしてそのパターンはわたしが今思い出せる限り『NEO UNIVERSE』だけです。


代表曲を選ぶという観点において、と書きましたが、それはつまり「多くの人の耳に馴染みやすい」ということです。代表曲として掲げるからには、ある特定の集団にだけ特に好まれるであろう曲を選ぶわけにはいきません。一般性が高いということも重要です。それと同じ理由で「売り上げ」も無視できません。と言いつつ、これはあとから調べてわかったことですが、『NEO UNIVERSE』は、現時点でラルク最後のミリオンセラーだそうです。それはそれでちょっと悲しいのだけれど。


詞のテーマは「25世紀の世界」だという『NEO UNIVERSE』を、わたしは何度も聴くうちに、天使の羽根をかたどる曲として聴くようになりました。背中から外側へと向けて広がっていく羽根ではなく、一片の羽根が先端となり、そこから糸が紡がれるように内側へと向かっていって、一枚一枚の羽根が幾重にも折り重なり、背に到達したところで意志をもってはばたく翼になる。そういう曲になりました。


NEO UNlVERSE/finale

NEO UNlVERSE/finale


再生回数 538回