Cafe de Lyon



15席くらいの小さなカフェです。すごく静謐な店内を想像していたけれど、そんなことはなくて、どちらかというとフランスの田舎のほうの小さな子供のいる家庭で、エプロン姿のお母さんの足に子供がくっついているような家の雰囲気でした。そのせいか、ショーケースの中のホールのケーキを自分でカットしたくなりました。ほら、自分が食べる分は、大きさとか場所とか、自分で選びたいじゃん。いつもはそんな衝動に駆られることないのだけど。


わたしは洋梨と赤ワインのタルトを選びました。最初「洋梨」と「タルト」しか目に入ってなくて、店員さんがわたしのオーダーを繰り返してくれたときに「赤ワイン」って言ったので、「え、そうなの?」って心の中で驚いてたんだけど、もう言っちゃったし、なんとなく慌てちゃって、そのまま「はい」って答えました。ワイン、、、大丈夫だろうか。わたしはアルコールにだいぶ弱いので少し不安だったのですが、ちょっと酔っ払ったかな、くらいで済みました。そしてとてもおいしかったです。自家製のケーキだということなのですが、専門の洋菓子店ではないところで、こんなにおいしいケーキを作ってるのはすごいなぁと思いました。いったい毎朝何時に起きてるんだろう。


と思いながら、わたしは手伝いのひとつもせずにこうしてただ自分のおやつが出てくるのを待っているだけの子供だったことを思い出しました。幼い頃から贅沢なおやつの食べ方を心得ていたのですね。わたしってえらい。