<ゴースト もういちど抱きしめたい>監督:大谷太郎 脚本:佐藤嗣麻子・中園ミホ


松嶋菜々子主演、観に行ってきました。わたしはななちゃんが大好きなのです。


相手役のソン・スンホン(キム・ジュノ役)さんとの愛の物語がどれほど巧く、綺麗に描かれるのだろうと思っていたのですが、ななちゃん(星野七海役)は綺麗だったし、ソン・スンホンさんも好印象だったけれど、ふたりの愛の物語はあまり上手に描かれていなかったように感じました。わたしはもっともっと、七海がジュノに惹かれていく心の様子や、ジュノが七海に惹かれていく心の様子や、七海を失ったジュノの悲しみや、ジュノに想いを伝えられない七海のもどかしさを、ぎゅっと感じ取れるような気持ちになれることを期待していたのだけれど、なれませんでした。


わたしは映画を観ている間、七海やジュノの気持ちとは別のことを考えていました。


もし自分が死んでしまって、この映画のようなゴーストとしてそこに存在したとき。愛する人に死の危険が迫っているとして、本当にその人の命を守りたいって思うかな。ということです。自分が「そっちに行きたい」と思うのと同じように、相手に「こっちに来て」って思わないかな、と。生きてるわたしはそんなこと思わないです。自分が死んでも、自分の好きな人には生きていてほしいって思う。でも死んでしまった<ゴースト>のわたしは、本当にそう思うのかな。


そんなことを考えていました。そんなことを考えていたら、ゴーストなんてやっぱりよくないなと思いました。死んだ人間が「そこにいる」のはよくない、って思いました。だから生きてることが大事なんだなぁ、と。


追記
眉山>のときに、宮本信子さんをすごいと思ったのと同じように、<ゴースト もういちど抱きしめたい>では、樹木希林さんをすごいと思いました。ひとつの画面に並んだときに、相手を食う。女優としてのこの格の差。それでもわたしはななちゃんに、他のどの女優さんにも感じない魅力を感じることができるという、この愛情の差。



映画「ゴースト もういちど抱きしめたい」オリジナル・サウンドトラック

映画「ゴースト もういちど抱きしめたい」オリジナル・サウンドトラック